Keiko Labs

棋譜をAIに検討してもらう、APIキーなしの方法(Claudeの中で動く将棋・チェス検討盤)

2026-09-21

「棋譜をAIに見せて、この手はなぜ?と聞きたい」。やってみると最初につまずくのが APIキー です。AIの提供元でキーを発行して、アプリに設定する。将棋やチェスを指したいだけの人にとっては、ここが一番遠い。

この記事では、APIキーを一切使わずに、Claude のチャットの中で Ponder(チェス・将棋の検討盤)を動かす手順を説明します。必要なのは Claude のアカウントとインターネット接続だけです。

仕組み:アプリをClaudeに「添付」する

Ponder には、ブラウザで開く版のほかに、1つのHTMLファイルとして配布している版があります。このファイルを Claude のチャットに添付して「アーティファクトとして表示して」と頼むと、Claude の画面の中でアプリが開きます。

AIへの質問は、そのまま あなたの Claude の利用枠 で処理されます。外部のAPIを呼ばないので、キーの発行も、別の支払いも発生しません。

手順

  1. 配布されている ponder-artifact-<版番号>.html をお使いの端末に保存する
  2. claude.ai または Claude Desktop で新しいチャットを開く
  3. そのチャットに、保存したHTMLファイルを添付する
  4. アーティファクトとして表示して」と送信する
  5. 画面が開いたら、「棋譜アップロード」から自分の棋譜を読み込む

添付してから画面が開くまで、十数秒かかります。何も起きていないように見えても、そのまま待ってください。Claude はファイルの内容をそのまま表示するだけで、中身を作り直したりはしません。

うまく開かないときは、次の2つを試します。

読み込める棋譜

読み込んだあとの基本操作は、ブラウザ版と同じです。

実際にはこう返ってくる

言葉で説明するより、1回分のやり取りを見たほうが早いと思います。Ponder に入っているサンプル棋譜(1858年のオペラ座の対局)を22手目まで進めて、定型質問の「この局面の最善手は?」を押したときの回答です(これはキー無しでも見られる、事前に用意したサンプル回答です)。

この局面での最善手は 12.O-O-O(クイーンサイドキャスリング)です [▶ O-O-O]。キャスリングによってルークをdファイルに配置し、ピン留めされた黒のナイト(d7)への圧力を一気に強めます。(…中略…)実戦ではこの後 12...Rd8 13.Rxd7! Rxd7 14.Rd1 と攻めが続き、モーフィーは犠牲を重ねて 17.Rd8# の美しいチェックメイトを決めました [▶ Rd8#]

太字の部分が、画面ではボタンになっています。[▶ O-O-O] を押すと、盤の上でキングが c1 に、ルークが d1 に動きます。[▶ Rd8#] を押すと、17手目の詰みの局面まで一気に飛びます。「ルークを d ファイルに配置する」という文章を読むだけでなく、押して盤で確かめられる。これがこのアプリで一番気に入っている部分です。

自分の棋譜を読み込めば、同じことがあなたの対局でできます。負けた対局の「どこで悪くなった?」を聞いて、回答に出てきた分岐を押して、盤で追う。その流れにAPIキーは要りません。

知っておいてほしいこと

AI機能は、あなたの Claude の利用枠を消費します。 使える回数はご契約中のプランの上限に従い、上限に達すると回復するまでAI機能は使えません。開発者側でその枠を増やすことはできません。棋譜の閲覧や盤面の操作そのものはAIを使わないので、上限の影響を受けません。

動作を確認できているのは、パソコンのブラウザ版 claude.ai(macOS + Google Chrome)と Claude Pro です。Claude Desktop アプリ、Windows や Linux のブラウザ、スマートフォンでの動作はまだ確認できていません。「未確認」は「使えない」という意味ではなく、こちらでまだ確かめられていないという意味です。

もう一つ、ブラウザ版との違いとして、読み込んだ棋譜は保存されません。アプリを開き直すたびに読み込み直す形になります。保存されるのは表示言語の設定だけで、これも環境によっては保存されないことがあります。

ブラウザ版との使い分け

同じ製品にブラウザ版もあり、こちらは Claude を開かずにどのブラウザでも使えます。その代わり、Claude / OpenAI / Gemini いずれかのAPIキーの設定が必要で、AI利用料は各提供元に支払う形になります。

Claude内で動かす版 ブラウザ版
APIキー 不要 必要
AIの費用 Claude の利用枠を消費 各AI提供元へ別途
動作場所 Claude 内のみ どのブラウザでも
AIプロバイダ Claude のみ Claude / OpenAI / Gemini から選択
回答の表示 一括表示(「考えています…」のあとまとめて出る) 逐次表示
棋譜の保存 されない されない

「まずキーなしで試したい」「普段 Claude を使っている」なら Claude 内で動かす版、「複数のAIを比べたい」「Claude を開かずに使いたい」ならブラウザ版、という選び方になります。

AIの回答と盤面の関係

AIの解説は参考情報で、誤ることがあります。ただし、盤面に反映される指し手はすべてルールエンジンで合法性を検証しているので、ルール上ありえない手が盤に載ることはありません。解説の文章を鵜呑みにするのではなく、▶ を押して盤で確かめる、という使い方を想定しています。

注意

このアプリは Anthropic 社の製品ではなく、同社の承認・提携・公式サポートを受けたものでもありません。Claude のアーティファクトの仕様が変わると、Claude 内で動かす版が動作しなくなる可能性があります。その場合でも、ブラウザ版は影響を受けずに使えます。

Ponder — チェス・将棋の棋譜に「なぜ?」を聞ける検討盤

棋譜を読み込んで、局面についてAIに質問できます。回答に出てくる指し手を押すと、そのまま盤が動きます。

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